2026/08/10 00:00

「どうして着物ではなく、帯でジュエリーボックスを作っているのですか?」

時々、このようなご質問をいただきます。

実は私自身、もともとは帯よりも着物の方が好きでした。

学生時代は京都の美術大学で染色を学び、その後は長年テキスタイルデザイナーとしてプリント柄の仕事をしてきたこともあり、着物の華やかな模様や色彩には昔から魅力を感じていました。

そのため、帯に特別な興味を持つようになったのは、ジュエリーボックスを作り始めてからなのです。


きっかけは、手織りの帯を制作されている作家さんからいただいたセミオーダーでした。

「この帯でジュエリーボックスを作ってほしい。」

そうご依頼いただき、初めて帯を使って制作したときのことは、今でもよく覚えています。

完成したジュエリーボックスは、それまで作っていたものとはどこか違いました。

とても上品で、凛とした佇まい。

その美しさに、私自身が驚いたのです。

帯は、着物とはまた違った魅力があります。

織りの立体感や糸の質感、手に触れたときのしっかりとした感触。

ジュエリーボックスに仕立てることで、その魅力がより引き立つように感じています。

そして、もう一つ好きなところがあります。

それは、和の素材なのに、和風になりすぎないこと。

木製のジュエリーボックスと組み合わせると、洋室にも自然になじみ、インテリアとしても楽しめます。

「和モダン」という言葉がありますが、まさにそんな雰囲気でしょうか。

和の美しさを残しながらも、今の暮らしに取り入れやすい。

それが帯をリメイクしたジュエリーボックスの大きな魅力だと思っています。

だから私は、今日も帯を一枚一枚眺めながら、「この帯は、どんなジュエリーボックスになるだろう」と想像を膨らませています。