2026/07/31 00:00

私は学生時代、京都の美術大学で染色を学んでいました。

産地を訪れて織物や染色の工程を見学したり、職人さんのお話を伺ったりと、日本の染織文化に触れる機会が数多くありました。着物や帯は、今でも私にとって特別な存在です。

帯を使ったジュエリーボックスを作り始めたきっかけは、海外に住む友人への手土産でした。

日本らしさを感じられ、それでいて日常の暮らしの中で楽しんでもらえるものを贈りたい。そんな思いから生まれたのが、帯のジュエリーボックスです。

「着物ではなく、なぜ帯なのですか?」と聞かれることがあります。

理由は、帯を使うことでジュエリーボックスに仕立てたときの存在感と高級感が格段に増すからです。

金糸や銀糸を織り込んだ立体感のある織りや、美しい光沢は、もともと晴れの日を彩るために作られた帯ならでは。小さな面積でも十分にその魅力を感じることができ、ジュエリーボックスとの相性も抜群です。

帯には本当にさまざまな柄があります。

古典柄や花柄、幾何学模様など、一枚一枚に個性があり、切り取る場所によって印象が大きく変わります。

これは、帯を締めるときに「どの柄をどの位置で見せようか」と楽しむ感覚と、どこか似ているのかもしれません。

今回使用したのは、「松」をモチーフにした帯です。

一見すると和柄らしさは控えめですが、織り込まれた金糸が上品な輝きを放ち、日本の美意識をさりげなく感じさせてくれます。この絶妙なバランスに惹かれ、ジュエリーボックスに仕立てました。

松は一年を通して青々とした葉を保つことから、長寿や不老長寿、繁栄、生命力を象徴する吉祥模様として古くから親しまれてきました。

お祝いの席や婚礼衣装にも多く使われる縁起の良い文様で、「これからも健やかに」「末永く幸せが続きますように」という願いが込められています。

ジュエリーボックスは、ご自身へのご褒美にはもちろん、大切な方への贈り物として選ばれることも多いアイテムです。

だからこそ、美しさだけでなく、こうした模様に込められた意味も一緒にお届けできたら嬉しいと思っています。

個人的には、少し大胆で印象的な柄が大好きです。


これからも、思わず心がときめくような帯との出会いを大切にしながら、一点物ならではのジュエリーボックスを作り続けていきたいと思います。