2026/07/22 00:00

「今まで見てきた中で、一番好きなテキスタイルは何ですか?」

そう聞かれたら、私は迷わず「沖縄の紅型、ミンサー織、花織」と答えます。

高校生の頃、初めてその色使いや模様を目にしたときの衝撃は、今でも忘れられません。

本土の着物とはまた違う、鮮やかで自由な色彩。

自然や暮らしを感じる模様。

どこかあたたかく、見ているだけで元気をもらえるようなデザインに、心を奪われました。

「ああ、こんな世界があるんだ。」

その出会いが、テキスタイルの世界へ進もうと決めたきっかけです。

大学では染色を学びましたが、どうしても沖縄の染織を自分の目で見たくて、一人で沖縄を旅したことがあります。

織物の産地を訪ね、工房を巡り、たくさんの作品を見せていただきました。

そして、「いつか自分でも紅型を染めてみたい」と思い、教えていただけないかお願いしたこともあります。

でも当時は、「地元の人にしか教えていないんですよ」と言われ、その夢は叶いませんでした。

少し残念でしたが、その土地で受け継がれてきた文化を大切にしたいという気持ちも理解できたので、とても印象に残っています。

それから長い年月が経ちましたが、沖縄の染織は今でも私の原点です。

実は、息子の七五三では紅型の着物を選びました。

まさか自分が、そんな形で紅型を身にまとう日が来るとは思っていませんでしたが、とても良い思い出になりました。

テキスタイルデザイナーとして18年間働き、世界中の生地に触れてきました。

ヨーロッパの刺繍、アジアの民族衣装、日本の帯。

どれも大好きです。

それでも、私のものづくりの出発点には、いつも沖縄の紅型やミンサー織、花織があります。

何時間眺めていても飽きない、美しいテキスタイル。

これからも、そんな「心が震えるような布」と出会いながら、その魅力をジュエリーボックスという形でお届けしていきたいと思っています。