2026/07/09 00:00

ジュエリーボックスを制作していると、「これは特別だ」と感じる生地に出会うことがあります。

今回ご紹介するのは、婚礼衣装や能装束の帯を手がける織元で制作された、相良刺繍(さがらししゅう)の帯を使った一点物のジュエリーボックスです。

初めてこの帯を目にした瞬間、その繊細さに思わず見入ってしまいました。

刺繍は一目一目がとても細かく、ふっくらとした立体感があります。

「これを一体どれだけの時間をかけて作ったのだろう。」

そう思わずにはいられないほど、職人の技術が詰まった帯でした。

相良刺繍は、小さな玉のような結び目を一つひとつ作りながら模様を表現していく刺繍技法です。

そのため、一般的な刺繍にはない柔らかな立体感が生まれ、光の当たり方によってさまざまな表情を見せてくれます。

そして、この帯でもう一つ惹かれたのが色使いです。

婚礼衣装や能装束のために制作された帯だからこそ、色彩はとても大胆。

普段身につける帯であれば、ここまでメリハリのある配色にはなかなか出会えません。

華やかでありながら上品。

特別な日の装いだからこそ許される、贅沢な色の組み合わせに心を奪われました。


そんな帯だからこそ、日常の中でも特別な存在として楽しめるジュエリーボックスにしたいと思いました。

帯は柄の取り方によって印象が大きく変わるため、同じ作品をもう一度作ることはできません。

世界にひとつだけの柄、世界にひとつだけのジュエリーボックスです。

お気に入りのアクセサリーをしまうだけではなく、眺める時間まで楽しめる宝箱になれば嬉しいです。

これからも、心が震えるような美しいテキスタイルとの出会いを大切にしながら、その魅力を暮らしの中で楽しめるプロダクトとしてお届けしていきたいと思います。