2026/04/20 00:00

こんにちは。TAKARABAKO88 森田です。

今日は、着物やスカーフをお持ち込みいただいて制作するジュエリーボックスの、少し裏側のお話を書こうと思います。

自分の手持ちの生地で作るジュエリーボックスと、お客様からお預かりした生地で作るもの。
同じ制作でも、その緊張感はまったく別のものです。

正直に言うと、何十倍も緊張します。

お預かりする着物やスカーフは、どれも大切な思い出が詰まったものばかり。
やり直しのきかない一点物であることがほとんどです。

特に着物やスカーフは、とても繊細で扱いが難しい素材が多く、毎回が手探りの連続です。

薄い生地であれば裏地を貼ることで安定させることもできますが、素材によっては裏地との相性が合わず、思ったような仕上がりにならないこともあります。

これまで試作品の段階で、何度も失敗を重ね、たくさんの没を出してきました。

その経験があるからこそ、できるだけ素材そのものの良さを活かしながら仕立てることを大切にしています。




そして、何より重要なのがカットの工程です。

どこを使うのか、どこを残すのか。
ほんの数センチの違いで、印象が大きく変わってしまう。

カットに入る前には、お客様と何度もやり取りを重ね、使用する部分についてしっかりと確認を行います。

制作の許可をいただいた後は、キャンセル不可で進めさせていただいていますが、
それでも、はさみを入れる瞬間は毎回、心臓の音が自分でも分かるくらいに大きくなります。

糊の量や接着の加減も、その都度調整が必要で、同じやり方が通用することはほとんどありません。

ひとつひとつの素材と向き合いながら、その都度考えて仕上げていく。
そんな作業の積み重ねで、ようやく一つのジュエリーボックスが完成します。

完成したものをお届けし、お客様に喜んでいただけた時の気持ちは、やはり何度経験しても特別です。

大切にされてきた布が、新しい形でまた日常の中に戻っていく。
そのお手伝いができることに、いつも大きな喜びを感じています。

これからも、一度にたくさんは作ることはできませんが、
ひとつひとつ丁寧に、オーダー制作を続けていけたらと思っています。

もしご自宅に、使えないけれど手放せない着物やスカーフがありましたら、
ジュエリーボックスという形で残すことも、選択肢のひとつとして考えていただけたら嬉しいです。