最近、ずっと頭の片隅にあることがあります。
それは「ミナペルホネンの生地で、ハンドメイドのジュエリーボックス(宝箱)を作ったらどうだろう」ということ。
ミナペルホネン。
私にとっては、ずっと憧れの存在です。
学生の頃、雑誌「装苑」が主催していたテキスタイルコンテストに応募したことがあります。
ありがたいことに、その時は審査を通過することができて、はじめて直接お話しする機会をいただきました。
その時にお会いしたのが、皆川明さん。
緊張しすぎて、何を話したのか細かい言葉までは覚えていないのに、
その空気感や声のトーン、佇まいだけは、今でも不思議なくらい鮮明に思い出せます。
「ああ、この人が生み出すテキスタイルだから、こんなにも人の心を掴むんだな」
そんなふうに感じた瞬間でした。
それ以来、ミナペルホネンは私の中で
憧れのブランドであり、憧れのテキスタイルデザイナーのままです。
だからこそ、ふと考えてしまうのです。
この美しい生地と、木製のジュエリーボックスを組み合わせたら、どんな宝箱になるだろう、と。
刺繍や図案の奥行き、布そのものが持つ物語。
そこに、しっかりとした木の箱が合わさったら、
アクセサリーを入れるための箱というより、
「大切な記憶をしまう宝箱」になる気がしています。
でも同時に、迷いも出てきます。
TAKARABAKO88のジュエリーボックスを好きだと言ってくださる方は、
少しクセがあって、少し個性的で、
ヴィンテージや一点物の「偶然の出会い」を楽しんでくださる方が多い印象です。
そんな方たちに、
あまりにも完成された、あまりにも有名なミナペルホネンの生地は、
逆に響かないのではないか。
「それは、TAKARABAKO88じゃなくてもいいのでは?」
そんなふうに思われてしまわないだろうか。
考えすぎかもしれませんが、
そんなことをあれこれ考えているうちに、時間だけが過ぎていきました。
ものづくりをしていると、
「作れるかどうか」よりも
「作っていいのかどうか」で立ち止まることがあります。
憧れが強すぎるからこそ、
簡単には手を出せないものもある。
でも、だからこそ、いつか向き合いたい素材でもあるのです。
今はまだ、迷っている段階。
でもこの迷いも、きっと無駄ではないはず。
またひとつ、自分の中で答えが出たら、
このブログで正直に書こうと思います。
今日も、宝箱のことを考えながら。