2025/11/26 00:00

ヴィンテージパーツを選ぶとき、私はほとんど“直感”で決めています。
もちろん仕事ですので、品質や傷の状態を確認することは最低限大切なのですが、最後の決め手になるのは 「心がときめくかどうか」

これはテキスタイルデザイナーとして長く働いてきた中で、自然と身についた“選ぶ軸”でもあります。


■ 海外から仕入れるときは「物」よりも「人」

海外のバイヤーさんや個人のコレクターさんから仕入れるとき、
私が一番大切にしているのは、実は 相手のお人柄 です。

・レスポンスの丁寧さ
・やり取りの温度感
・こちらの質問にきちんと答えてくれるか
・ヴィンテージへの愛情を感じるかどうか

物が良くても、人として違和感がある場合は取引しません。

逆に、
「この人からなら安心して迎えられる」
と感じる相手とは、自然と良い買い付けが続き、
不思議と“当たりのヴィンテージ”が多いのです。

ものづくりは、結局は“人と人”の仕事。
だから信頼できる方とご縁をつなぐことを、私はとても大切にしています。


■ 実物を見て買うときは「ときめき」がすべて

対面でヴィンテージを選ぶときは、もっとシンプルで、もっと感覚的です。

手に取った瞬間、
「わぁ…いいな」
と胸がふわっと温かくなるかどうか。

その感覚は、理屈では説明できません。
形が珍しいからでも、素材が貴重だからでもなくて、
ただ「好き」が先に来るんです。

逆に、
「これは売れそうだな」「使いやすそうだな」
と打算的に選んだものは、あとから後悔することが本当に多い。売れたとしても、自分の好きな世界観が表現できずにがっかりしてしまう事も多々。

ヴィンテージは“効率”で探すと間違えます。
時間をかけてでも、心が動くものだけを迎える。
それが結果的に、良いものづくりにつながると信じています。


■ 心がときめくものを少しずつ集め、組み合わせていく

1点物のジュエリーボックスを作るとき、私はまず素材を「見る」のではなく 「感じる」 ところから始めます。

少しずつ集めた、ときめきのかけらたち。
ヴィンテージブローチ、古いイヤリングの片方、失われたアクセサリーのパーツ…。

それらを机に並べて、色や質感の相性を見ている時間は、
テキスタイルデザイナーとしての“娯楽”のようで、
同時にとてもクリエイティブな工程です。

そこでビジネスを考えすぎると、
どうしても作品に“力み”が出てしまう。
だから私は1点物を作るときだけは、
できるだけビジネスから距離を置き、
最初のときめきを大切にしています。


■ ときめきは、作り手にとっても“正解”であり“責任”

心が動くものだけで作った作品は、
時間が経っても色褪せません。
むしろ、手元に置くほど愛着が湧き、
「これは誰かに届けたい」と自然に思えるのです。

そして、そんな気持ちで生まれたものは、
不思議とお客様にも必ず届きます。

ヴィンテージを選ぶときのときめきは、
作品の芯になり、価値になり、品質になります。

だから私は今日も直感を信じて、
ひとつひとつの出会いを大切にしています。