2025/11/05 12:00
年齢を重ねるにつれて、「たくさん欲しい」と思う気持ちは、少しずつ「これがあればいい」に変わっていきます。数ではなく、心に響くひとつ。
それがあるだけで、暮らしが不思議と満たされていく。
私にとって“選ぶ時間”は、何よりも楽しいひとときです。
悩んで、比べて、心がときめく瞬間を見つけるまでの時間こそが、宝探しのような喜び。
だからこそ、手にしたひとつのものには、長く大切にしたくなる思い出が宿ります。
30歳の記念に買った冠婚葬祭で使える、ちょっとだけ背伸びしたパールのセット。
独身最後のご褒美として選んだバッグ。
出産祝いに贈られたカルティエの時計。
40歳を迎える前に決意とともに選んだ一粒ダイヤのピアス。
節目ごとに集めてきた“ひとつずつの宝物”は、
単なる持ち物ではなく、その時の自分を映す鏡のような存在です。
〈TAKARABAKO88〉のジュエリーボックスは、
そんな「私のひとつ」をそっと受けとめるための小さな場所。
お気に入りを並べるたびに、その時々の記憶が蘇り、
自分の歩んできた時間を優しく確かめられるような——そんな箱でありたいと思っています。
“たくさん持たない”という選択は、制限ではなく、豊かさのかたち。
お気に入りをひとつだけ持つことは、自分自身を大切にすることでもあると私は考えます。
TAKARABAKO88 デザイナー 森田