2025/10/30 12:00
ふと香るハンドクリームの匂い、
木の家具から漂う懐かしい香り――。
一瞬で、昔の風景や人の笑顔がよみがえることがあります。
それはきっと、香りが「五感の記憶」と深く結びついているから。
心の奥に静かにしまわれた思い出が、香りによってやさしく巻き戻される瞬間です。
私は毎晩、寝る前にナリンの精油を枕元に垂らしています。
心が落ち着いて、静かに一日を終える合図のような時間。
香りの力はすごいもので、
その日の出来事でざわついた心を、
やわらかく整えてくれるように感じます。
香水も、私にとっては気分を切り替えるスイッチのひとつです。
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前向きな気持ちでいたいときは、Diorの「lucky」を。
軽やかで清々しく、「今日もいい日になりそう」と思わせてくれます。 -
やさしい気持ちになりたいときは、GOUTALの「ローズ ポンポン」。
穏やかな甘さが心をほぐし、自分を大切にしたくなる香りです。
香りは見えないけれど、
気持ちを変える“空気の色”のようなものかもしれません。
ジュエリーを箱にしまうように、
香りもまた、記憶を包み込む小さな箱のような存在です。
ある香りをふと感じたときに、
「この時期によくつけていたな」と思い出がよみがえる――
そんな体験を重ねながら、
香りも自分の歴史の一部になっていくのだと思います。
香りと記憶は、静かに寄り添うもの。
目には見えないけれど、確かに心の奥に残っていく。
TAKARABAKO88の作品も、
そんな「五感の記憶」を包み込めるような存在でありたいと願っています。
触れた瞬間に、心が少しやさしく整う――
香りのように、日常に静かに寄り添う小さな箱を目指して。
TAKARABAKO88 デザイナー 森田