2025/07/04 12:30
ジュエリーボックスを作っていると、よく聞かれるのが「仕切りって手作りですか?」という質問です。
正直に言うと、私のジュエリーボックスは**“完全なハンドメイド”ではありません**。
ハンドメイドの部分と、あらかじめ用意されたパーツを組み合わせて、価格を抑えながら、でも妥協はしない。そんなスタイルで作っています。
その中でも、特に悩ましいのが“仕切り”の部分。
実は、仕切りってものすごく手間がかかるんです。
全部手作りしようと思うと、時間も材料費もかさみますし、見た目や使い心地にも差が出やすい。
そこで、私は思い切って既製品の仕切りを使うという選択をしました。
でも、どんな既製品でもいいわけではありません。
これまでに何度も「失敗したな…」と思うような粗悪なものを買ってしまった経験があります。
だから今は、高級ジュエリーブランドにも卸している仕切りメーカーのものを使っています。
正直、仕切りだけでもそこそこ高価です。でも、品質に関しては胸を張って「安心してください」と言えます。
もちろん、本当は仕切りもオリジナルで作りたい気持ちはあります。
でも、最小ロットが500個から。しかも1種類だけでは足りない。
本当に満足いただけるようにするなら、最低でも5タイプは必要…。
今の私の規模では、まだ難しいのが現実です。
それでも、私は思うのです。
いまは、おひとりおひとりの希望に寄り添って、ジュエリーの数やしまいたいスペースに合わせて、最適な仕切りを探していく。
そんなスタイルも、案外悪くないのかもしれないと。
大量生産はできなくても、その人のための“理想の宝箱”をつくる。
それが、私が今できる、いちばん誠実なものづくりだと思っています。